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本ページは、がん免疫製剤を処方されている方を対象に、適切な治療を受けていただくことを目的としています。

尿路上皮がん

Chapter 5

治療後の経過について

再発した場合について

再発した場合は、どうしたらよいですか?

患者さんの状態に応じて、治療法の選択はさまざまです。

再発とは、治療によって消えていたがんが再び見つかることをいいます。 たとえば、筋層非浸潤性膀胱がんが膀胱内に再発した「膀胱内再発」では、TURBTによる再切除が施行されます。病理検査の結果などに基づき、手術による膀胱の摘出やBCG注入療法が施行されることもあります。一方、肺や肝臓、骨など、別の臓器やリンパ節にがんが見つかった場合は「転移再発」となります。転移再発では、全身療法である治療的薬物療法を中心にがんの進行を抑えることを目指します。骨転移による痛みなどがある場合は、痛みを和らげるために放射線療法が追加されることもあります。

国立がん研究センター がん情報サービス「膀胱がん/腎盂・尿管がん」
日本泌尿器科学会:膀胱癌診療ガイドライン2019年版, p5,52-53, 医学図書出版, 2019
もっと知ってほしい膀胱がんのこと, NPO法人キャンサーネットジャパン, p16, 2015

治療後の経過観察について

治療が終了したあとの検査について教えてください

体調管理や再発の有無を確認するため、治療が終了したあとも、医師の指示にしたがって定期的に診察を受けましょう。

尿路上皮がんは、比較的、再発しやすいがんのひとつといわれています。治療が終了したあとも、医師の指示にしたがって定期的に通院し、診察や検査を受けるようにしましょう。
検査では、尿細胞診、血液検査、超音波検査、膀胱鏡検査、画像検査(胸部X線、CT、MRI検査) などを行って、再発の兆候はないか、術後の経過や腎機能の状態はどうかなどを確認します。検査の種類や頻度、経過観察の期間は、がんの進行度や治療法、再発リスクなどによって異なりますので、主治医に確認しておくとよいでしょう。
いつもと違う症状や体調の変化を感じた場合は、早めに医師や医療スタッフに連絡してください。

国立がん研究センター がん情報サービス「膀胱がん/腎盂・尿管がん」
日本泌尿器科学会:膀胱癌診療ガイドライン2019年版, p112-119, 医学図書出版, 2019
日本泌尿器科学会編:腎盂・尿管癌診療ガイドライン2014年版, p54-55, メディカルレビュー社,2014

日常生活の注意点とアドバイス

日常生活を送るうえで注意することはありますか?

ストーマ(人工膀胱)を造設した人は、皮膚を清潔に保ち、ストーマ装具のケアの方法を身に着けましょう。

ストーマ造設後の日常生活について

ストーマを造設した方は、手術後、尿の排出口が狭くなることがあります。尿が出てこないなどのトラブルが起きたときには、すぐに医師に相談してください。ストーマの周りがくぼむ、突出する、などの変化がないかを注意することも大切です。よく見られるトラブルは、ストーマ装具(集尿袋)を貼り付ける皮膚が赤くなることです。皮膚を清潔に保つため、入浴時に泡立てたせっけんで洗い、よく乾かしてから装具を貼ります。また、ストーマ装具をしっかり貼れないことが、尿漏れの原因になっていることがあるので、正しい装具の使い方を学びましょう。困ったことがあれば、病院のストーマ専門の看護師に相談するようにしましょう。

公益社団法人日本オストミー協会では、オストメイト(人工肛門・人工膀胱保有者)のためのホームページ(https://www.joa-net.org)を開設しています。日常生活のアドバイスや、オストメイトに対応しているトイレの検索機能もありますので、参考にされるとよいでしょう。

国立がん研究センター がん情報サービス「膀胱がん」
小島祥敬 監修:泌尿器がん 術前術後管理のすべて, p117-124, MCメディカ出版, 2021

治療後の回復や体調を管理するために、無理のない範囲で軽い運動をし、栄養バランスのとれた食事をとりましょう。

日常生活のアドバイス

治療を終えたあとは、食事や運動で特に制限すべきことはありません。腎盂・尿管がんの手術で片側の腎臓を摘出した方でも、残ったもう片方の腎臓の機能に問題がなければ、これまでどおりの生活を続けていただけます。
また、膀胱の手術後にストーマを造設した方でも、基本的に食べてはいけない食品はなく、入浴も可能です。ただし、膀胱の再建手術で回腸導管造設術または自排尿型新膀胱造設術を受けた方では、腸管の手術を行っているため、術後の腸ちょうへいそく閉塞の予防が大切です。食物繊維を多くとり、便秘にならないように注意しましょう。
喫煙は、尿路上皮がんのリスク因子として知られています。これまで喫煙習慣のある人は、禁煙するようにしてください。

国立がん研究センター がん情報サービス「膀胱がん/腎盂・尿管がん/がんとお金」
小島祥敬 監修:泌尿器がん 術前術後管理のすべて, p117, MCメディカ出版, 2021