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本ページは、がん免疫製剤を処方されている方を対象に、適切な治療を受けていただくことを目的としています。

尿路上皮がん

Chapter 4

尿路上皮がんの薬物療法

薬物療法について

薬物療法とは、どのような治療法ですか?

薬剤を使って、がん細胞の増殖を抑えたり消滅させることを目的とした治療法です。薬を膀胱や尿管に直接注入する「注入療法」と、点滴で投与する「全身療法」があります。

注入療法

尿道からカテーテル(管)を挿入して、膀胱や尿管内に薬を直接注入し、がんの再発や浸潤がんへの進展を抑える治療です。多くの場合、内視鏡による切除治療と併用して行われます。
使われる薬剤 ・抗がん剤 ・BCG


全身療法

  • 補助的薬物療法(術前補助療法/術後補助療法)

筋層浸潤性がんの患者さんを対象に、手術の前後に補助的に行われる全身的な治療です。手術の前に行う「術前補助療法」では、がんを小さくして手術の治療効果を高める狙いがあります。手術のあとに行う「術後補助療法」では、術後の再発や転移を抑えることを目的に行われます。
使われる薬剤 ・抗がん剤 ・免疫チェックポイント阻害薬(術後補助療法のみ)

  • 治療的薬物療法

全身に広がったがんに対して治療的に行われる薬物療法です。がんの進行を抑えたり、症状をコントロールすることを目的に行われます。
使われる薬剤 ・抗がん剤 ・免疫チェックポイント阻害薬 ・抗体-薬物複合体製剤

国立がん研究センター がん情報サービス「膀胱がん/腎盂・尿管がん」
もっと知ってほしい膀胱がんのこと, p12-15, NPO法人キャンサーネットジャパン, 2015
日本臨床腫瘍学会編:新臨床腫瘍学 改訂第6版, p471-477, 南江堂, 2021
Bajorin DF, et al. N Engl J Med. 2021; 384(22): 2102-2114
Powles T, et al. N Engl J Med. 2021; 384(12): 1125-1135

国立がん研究センター がん情報サービス「膀胱がん/腎盂・尿管がん/薬物療法 もっと詳しく」
後藤百万 他 編:泌尿器科薬剤の考え方、使い方, p108-119, 中外医学社, 2020
がん化学療法ケアガイド第3版, p26, 中山書店, 2020

薬物療法の副作用

薬物療法による副作用には、どのようなものがありますか?

副作用の種類や程度は、薬剤の種類や量によって異なります。治療中や治療後にいつもと違う症状を感じたら、医師や看護師、薬剤師にすぐに相談しましょう。

国立がん研究センター がん情報サービス「膀胱がん/腎盂・尿管がん」
もっと知ってほしい膀胱がんのこと, p12-15, NPO法人キャンサーネットジャパン, 2015

国立がん研究センター がん情報サービス「膀胱がん/腎盂・尿管がん/薬物療法 もっと詳しく」
1)日本臨床腫瘍学会編:新臨床腫瘍学 改訂第6版, p685-687, 南江堂, 2021
Halford. Z, et al. Annals of Pharmacotherapy, Vol.55(6): 772-78 2. 2021
Bajorin DF, et al. N Engl J Med. 2021; 384(22): 2102-2114
Powles T, et al. N Engl J Med. 2021; 384(12): 1125-1135

放射線療法について

放射線治療とは、どのような治療法ですか?

高エネルギーのX線などを使ってがん細胞を死滅させたり、増殖を抑える治療法です。筋層浸潤性膀胱がんでは、薬物療法(抗がん剤)と併用する「放射線化学療法」が多く検討されます。

「放射線化学療法」が検討される場合とは

放射線化学療法は、筋層浸潤性膀胱がんのうち、年齢や全身状態などによって膀胱全摘除術が行えない(希望しない)患者さんに検討される治療法です。膀胱を温存させる集学的治療の一部として行われることがあります。

転移したがんの治療

放射線療法は、骨転移による痛みや不快な症状を和らげる目的で使われることもあります。

放射線治療の進め方

放射線は、体の外から照射します。1回の照射にかかる時間は数分で、痛みはありません。通常、決められた治療計画に従って一定期間治療を続けますが、患者さんの状態によっては、照射量を減らしたり、治療期間を短縮することがあります。治療スケジュールなど詳しいことは、担当の放射線医に確認しておくとよいでしょう。

国立がん研究センター がん情報サービス「 膀胱がん/腎盂・尿管がん/放射線治療の実際」
日本泌尿器科学会編:膀胱癌診療ガイドライン2019年版, p81-83, 医学図書出版, 2019
後藤百万 他 編:泌尿器科薬剤の考え方、使い方, p108-119, 中外医学社, 2020