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本ページは、オプジーボを処方されている方を対象に、適切な治療を受けていただくことを目的としています。

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胃がんを治療中の患者さんへ

Chapter 1

胃がんについて

はじめに

オプジーボ(一般名:ニボルマブ)は、私たちがもともと持っている免疫の力を回復させることでがんへの攻撃力を高める、これまでとは異なるメカニズムに基づく〝がん免疫療法〟の治療薬です。
このサイトでは、オプジーボによる治療を適切に続けていただくために、薬の特徴や副作用、治療中の注意点についてご紹介しています。
気になる症状をご記入いただく「治療日記」もありますので、併せてご活用ください。
わからないことや不安に思うこと、もっと知りたいことなどがありましたら、医師、薬剤師、看護師にご相談ください。

胃がんについて

胃がんは、胃の内側にある粘膜細胞が、がん化することで発生する悪性腫瘍で、ほとんどは「腺(せん)がん」と呼ばれる組織型が占めています。
胃がんに伴う主な症状としては、胃の痛みや不快感、胸やけ、吐き気、食欲不振などがあります。しかし、こうした自覚症状が早い段階で出現することは少なく、かなり進行した場合でも症状がほとんどみられないこともあります。進行した場合の症状としては、めまいや息切れ、食後にものがつかえる、吐血や黒色便などがあります。
近年は、胃がん検診の普及などにより、早期のうちに発見されるケースが多くなりました。しかし、およそ16%の方は、がんが離れた臓器に転移した状態(遠隔転移)で見つかっています。

国立がん研究センターがん情報サービス:全国がん罹患モニタリング集計2006-2008年生存率報告, 2016、
国立がん研究センターがん研究開発費: 地域がん登録精度向上と活用に関する研究, 平成22年度報告書より作成

早期胃がんと進行胃がん

胃がんは、胃の壁の最も内側にある粘膜から発生します。そして、横に広がりながら、粘膜下層や筋層へと深く浸潤していきます
がんの病変が達する深さ(深達度)が、胃の粘膜内や粘膜下層の浸潤に留まるものを「早期胃がん」、筋層より深くに進展したものを「進行胃がん」といいます。
これらの区分けは、がんの進行度を具体的に示すものではありませんが、早期胃がんに比べ、進行胃がんでは、リンパ節や他の臓器に「転移」する頻度が高まることが知られています。

  • 特殊な胃がんとして、粘膜の表⾯にはほとんど現れず胃壁全体に広がる「スキルス胃がん」があります。

岐阜大学医学部附属病院がんセンターホームページ:胃がんとは「胃壁の深達度」、
病気がみえるVol.1 消化器 第5版, p119, メディックメディア, 2016 より作成

胃がんの「転移」と「再発」

「転移」とは、がん細胞がリンパ液や血液の流れにのって別の臓器に移動したり、腹腔内に広がり、そこで成長することをいいます。
胃がんの転移の形式は、大きく「リンパ行性転移」「播種性(はしゅせい)転移」「血行性転移」の3つの種類に分けられます。転移しやすい場所としては、肝臓や肺(血行性転移)、腹膜や胸膜(播種性転移)、所属リンパ節や鎖骨上リンパ節(リンパ行性転移)などがあります。
一方、「再発」とは、手術前にすでに体内に散らばっていた微細ながん細胞が、手術後、時間の経過とともに増殖して大きくなり、検出できる大きさになることをいいます。胃がんの再発は、手術から3年以内に起こることが多く、5年以降に見つかることはまれとされています1)

胃がんの主な転移場所2)

1)国立がん研究センターのがんの本 胃がん, p107, 小学館クリエイティブ, 2011
2)病気がみえるVol.1 消化器 第5版, p120, メディックメディア, 2016

TNM Classification of MALIGNANT TUMOURS Eighth Edition, p65, WILEY Blackwell, 2017