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本ページは、がん免疫製剤を処方されている方を対象に、適切な治療を受けていただくことを目的としています。

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悪性黒色腫

Chapter 3

悪性黒色腫の治療

悪性黒色腫の治療方針

治療方針は、何をもとに決められますか?

治療法を決めるうえで重要なのは、病期です。
さらに全身状態なども考慮して治療方針が決められます。

悪性黒色腫では、病期にもとづいて治療方針が立てられます。
他の臓器に転移がないⅠ〜Ⅲ期までの患者さんでは、手術が中心となります。また、手術後に転移や再発を防ぐための術後補助療法としてインターフェロン、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬による薬物療法が行われる場合があります。
他の臓器に転移があるⅣ期の方や手術ができない患者さんについては、薬物療法が中心となります。ただし、Ⅳ期であっても、がんの転移巣を手術で取り除くことができる場合は、手術と薬物療法(術後補助療法)を組み合わせた治療が選択されることもあります。
薬物療法では、免疫チェックポイント阻害薬の登場や、新たに「分子標的薬」の種類が増えたことで、治療の選択肢がさらに広がりました。

日本皮膚科学会 「皮膚悪性腫瘍ガイドライン(WEB版) 診療アルゴリズム」
日本皮膚悪性腫瘍学会 「悪性黒色腫(メラノーマ)薬物療法の手引 version 1.2019」
日本皮膚科学会/日本皮膚悪性腫瘍学会編: 皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン 第3版 メラノーマ診療ガイドライン2019

手術について

どのような手術が行われますか?

悪性黒色腫では、病変を全て切除することを目的とした手術が行われます。

悪性黒色腫では、手術によってがんを切除する方法が優先されます。しかし、悪性黒色腫は、がんの周辺に小さな転移(衛星病巣)や目に見えないほど小さな転移が発生することが多く、目に見えるがんだけを切除した場合、周囲に再発するリスクがあります。手術ではこれらの小さな転移も取り除く必要があるので、がんの端から数cmほど外側を広めに切除します。
切除範囲は、原則として下記の表に従って検討されます。ただし、がんが発生した部位によっては適用されないこともあります。切除の深さは、それぞれの腫瘍の厚さや発生した部位などに応じて決められます。

日本皮膚科学会/日本皮膚悪性腫瘍学会編: 皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン 第3版 メラノーマ診療ガイドライン2019

日本皮膚科学会「皮膚科Q&Aメラノーマ」

手術(退院)後は、手術の部位や方法によりますが、基本的には食事、運動などの制限もなく、今までの日常生活や職場に、早期に戻ることが可能です。ただし、リンパ節を広範囲に切除すると、リンパ浮腫と呼ばれる手足のむくみやしびれが出ることがあります。このような場合は術後のリハビリや毎日のマッサージ、弾性ストッキングや包帯による圧迫で症状を軽減できることがあります。

別冊がんサポート 皮膚がん, p86-89, エビデンス社, 2015

放射線療法について

どのような放射線療法が行われますか?

限られた施設で実施している特殊な放射線照射や緩和医療としての放射線療法が行われます。

悪性黒色腫は、一般的に行われるX線や電子線を照射する放射線療法では 効果が認められないことが多いのですが、先進医療※1 として限られた施設で実 施している速中性子線や陽子線、重粒子線などの特別な放射線の照射が効果 を示すことがあります。また、脳に転移がある患者さんにガンマナイフ治療※2やサイバーナイフ治療※3などが行われることもあります。

  • 先進医療:
    国が承認した先進性の高い医療技術のことで、限られた医療機関で行われます。このような治療について詳しく知りたい方は医師にご相談ください。
  • ガンマナイフ治療:
    開頭することなく、脳内のがん病巣に対してγ(ガンマ)線を多方向から一点に集中照射する治 療です。
  • サイバーナイフ治療:
    コンピューター制御により、がん病巣に対してX線を多方向から集中照射します。頭部以外でも治療できます。

国立がん研究センター がん情報サービス「悪性黒色腫」

主な副作用

放射線療法により、以下のような副作用が現れますが、多くの副作用は、治療終了後、治療前の状態に戻ります。

患者必携 がんになったら手にとるガイド 普及新版, p153-155, 学研メディカル秀潤社, 2015

緩和療法について

緩和療法とは、どのような治療ですか?

がんに伴う体と心の痛みを和らげ、生活やその人らしさを大切にする治療です。

がんの療養中は、痛みや吐き気、食欲低下、だるさなどといった体の不調が日常生活を妨げることがあります。がん医療における緩和療法とは、がんに伴う体と心の痛みを和らげ、生活やその人らしさを大切にする治療です。
例えば悪性黒色腫が脳や全身へ遠隔転移した場合に、放射線療法を行うことで、転移や再発に伴う症状を和らげる緩和医療としての効果があったことが報告されています。
緩和療法は患者さんがどのような病状であっても、どのような時期でも受けることができますので、緩和療法について話を聞きたいときには、担当医や看護師に相談してみましょう。

国立がん研究センター がん情報サービス「悪性黒色腫」