肺がんが再発した場合は、がんの痛みなどの辛い症状を取り除く緩和ケアと、薬物を用いた治療が中心となります。再発場所や症状によっては、放射線療法や小さな範囲の手術が検討されることもあります。
薬物療法については、多くの場合、初回に受けた治療法やその反応などを考慮したうえで必要な薬剤が選択されます。近年では、これまでとは異なる作用を持つ分子標的薬やがん免疫療法(免疫チェックポイント阻害薬)が加わり、再発した非小細胞肺がんに対する治療の選択肢が広がっています。
肺癌診療ポケットガイド, P144-162, 医学書院, 2016
国立がん研究センター がん情報サービス「 肺がん」
手術などでがんが消失しても、実際には、体内に目に見えないがん細胞が残っている可能性があります。これらの残っていたがん細胞から再びがんが現れることを再発といいます。
肺がんの場合、再発や転移が起きやすいのは治療終了後2年以内ですが、5年を過ぎれば、かなり少なくなるといわれています。血液検査や画像検査は3〜6ヵ月ごと、気管支鏡検査は、半年〜1年ごとが目安となります。
今後の通院間隔や検査の内容などは、患者さんの状態によっても異なりますので、医師に確認しておくとよいでしょう。
いつもと違う症状や体調の変化を感じた場合は、早めに医師や医療スタッフに連絡して相談してください。
NPO法人キャンサーネットジャパン: もっと知ってほしい肺がんのこと, p25, 2017
健康ライブラリーイラスト版 肺がん, p90-91, 講談社, 2013