肺がんの病期は、がんの大きさや広がり、リンパ節への転移、遠隔転移の状況によって、大きくⅠ期からⅣ期の4段階に分けられます。
Ⅰ期はがんが肺の中に留まり、リンパ節への転移はない状態、Ⅱ期はリンパ節転移はないが、肺の中のがんが大きい、またはがんと同じ側の肺門リンパ節に転移している状態、Ⅲ期は肺の周りの組織や重要な臓器に広がり、リンパ節にも転移している状態、Ⅳ期は離れた臓器に転移していたり、胸水にがん細胞がみられる状態です。
数字が大きいほど、また、同じ病期ではA、B、Cの順にがんが進んでいることを示しています。
日本肺癌学会編: 臨床・病理 肺癌取扱い規約 改訂第8版, 金原出版, 2017,
NPO法人キャンサーネットジャパン: もっと知ってほしい肺がんのこと, p7, 2017,をもとに作成
肺がんのスクリーニング検査(胸部X線検査、胸部CT検査、喀痰(かくたん)細胞診など)で肺がんが疑われた場合は、気管支鏡検査や生検などで採取した組織や細胞を顕微鏡で詳しく調べる病理検査を行って、がん細胞の有無やがんの種類を確認します。
がんの広がりを調べる画像検査では、胸部造影CTが多く用いられます。
また肺がんは、進行すると脳や骨、肝臓など離れた臓器に転移することがあるため、必要に応じて頭部MRI、PET(ペット)検査、骨シンチグラフィーなどの画像検査を行ってがんの広がりや遠隔転移の有無を確認し、病期の判定に役立てます。
インフォームドコンセントのための図説シリーズ 肺がん 改訂5版, p47-75, 医薬ジャーナル社, 2017
健康ライブラリーイラスト版 肺がん, p28-35, 講談社, 2013