非小細胞肺がんは、肺の悪性腫瘍(肺がん)の一種です。
このサイトでは、非小細胞肺がんと診断された患者さんに、非小細胞肺がんとはどのような病気か、どのような治療法があるか、診断から治療の流れ、治療中のケアなどについてご紹介しています。
病気と向き合い乗り越えていくためには、これから受ける治療やケアなどについてよく理解しておくことが大切です。このサイトを、主治医と治療の進め方などを話しあうときの参考資料としてぜひ活用してください。
そして、医師や医療スタッフ、ご家族とともに、勇気を持って治療に取り組んでいきましょう。
肺がんは、気管や気管支、または肺胞(はいほう)という小さな袋の細胞ががん化したものです。肺がんの主な原因は喫煙ですが、喫煙とは関連が低い肺がんもあり、非喫煙者でも発症します。
肺がんには特有の症状がなく、他の呼吸器疾患との区別がつきにくいことから、肺がんになっても早期のうちは見過ごされやすい傾向があります。
一般的な症状として最も多くみられるのが、治りにくい咳です。その他にも、胸の痛み、血痰(けったん)、息切れ、呼吸時のぜーぜー音(喘鳴(ぜんめい))、声がかれる(嗄声(させい))、顔や首のむくみなどがみられることもあります。
インフォームドコンセントのための図説シリーズ 肺がん 改訂5版, p45-46, 医薬ジャーナル社, 2017
カラー図解人体の正常構造と機能Ⅰ 呼吸器, 2-3,日本医事新報社,2002
健康ライブラリーイラスト版肺がん,p14-15,18-19, 講談社,2015
1年間に日本で新たに肺がんと診断された人の数(罹患数)は、2017年の統計で12万4,510人(男性8万2,880人、女性4万1,630人)です。これは全がん種のうち第3 位となっており、肺がんは非常に多くみられるがん種の1つといえます。また1980年代以降、男女とも増加し続けており、がん全体に占める割合も高くなっています。
罹患率は、40歳代後半から増加して高齢になるほど高くなり、女性よりも男性の方が2倍以上多く発症します。
国立がん研究センター がん情報サービス「がん登録・統計」(全国がん登録)
国立がん研究センター がん情報サービス「がん登録・統計」(全国がん罹患モニタリング集計(MCIJ))より
肺がんは、組織型の違いによって、大きく「小細胞肺がん」と「非小細胞肺がん」に分けられます。大多数を占めているのは「非小細胞肺がん」で、さらに「腺がん」「扁平上皮(へんぺいじょうひ)がん」「大細胞がん」に分類されます。
それぞれがんの性質や治療方法、治療に対する反応性などが異なるため、がんの種類を見極めたうえで、治療方針が立てられます。
インフォームドコンセントのための図説シリーズ 肺がん 改訂5版, p24-27, 医薬ジャーナル社, 2017
病気がみえる vol.4 呼吸器 第3版, p232-233, メディックメディア, 2018