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本ページは、がん免疫製剤を処方されている方を対象に、適切な治療を受けていただくことを目的としています。

胃がん

Chapter 1

胃がんとは

はじめに

胃がんと診断されたあなたへ

胃に発生した悪性腫瘍を「胃がん」といいます。
このサイトでは、胃がんと診断された患者さんに、胃がんとはどのような病気なのか、診断と治療の流れ、治療中のケアなどについてご紹介しています。
病気と向き合い乗り越えていくためには、これから受ける治療やケアなどについてよく理解しておくことが大切です。このサイトを、主治医と治療の進め方などを話しあうときの参考資料としてぜひ活用してください。
そして、医師や医療スタッフ、ご家族とともに、勇気を持って治療に取り組んでいきましょう。

胃がんについて

胃がんとはどんな病気ですか?

胃にできるがんを総称したもので、主に粘膜層の細胞が変化して発生します。

胃がんは、もともとは正常な胃の粘膜の細胞が、様々なリスク要因によって変化することで発生します。検査法の進歩により、近年は検診によって早期発見が増えており、治療成績の良いがんの1つとされています。また、薬物療法も進歩してきており、治療の選択肢が広がってきました。

早い段階での自覚症状はほとんどありません。

胃がんの自覚症状は、早い段階で出現することは少なく、がんが進行した場合でも、ほとんどみられないこともあります。がんができた部位によっては、食べ物が入っていきにくいために、または、食べ物が胃の中に滞るために、胃の痛みや不快感、胸やけ、吐き気、食欲不振などの症状が現れることがあります。また、進行した胃がんの症状としては、めまいや息切れ、食後にものがつかえる、吐血や黒色便などがあります。

インフォームドコンセントのための図説シリーズ 胃がん 改訂版, p36-39, 医薬ジャーナル社, 2012
もっと知ってほしい胃がんのこと, p4, NPO法人キャンサーネットジャパン, 2016

インフォームドコンセントのための図説シリーズ 胃がん 改訂版, p10-13,36, 医薬ジャーナル社, 2012
病気がみえる vol.1 消化器 第5版, p82, メディックメディア, 2016

胃がんはどんな人に多いですか?

中高年の男性に多く、ピロリ菌感染との関わりが深いがんです。

胃がんは、日本で多く見られるがんの1つです。2018年の統計では、男性では2番目に多くおよそ10人に1人、女性では4番目に多く、およそ21人に1人が一生のうちに胃がんになると推定されています。胃がんは50歳前後から、特に男性で罹りかん患率が高くなります。
胃がんになるリスクを高める要因としては、ピロリ菌(H. pylori)感染による慢性的な胃粘膜の炎症や、生活習慣(塩分の多い食事、喫煙、野菜や果物の摂取不足)などが挙げられています。



インフォームドコンセントのための図説シリーズ 胃がん 改訂版, p14-19, 医薬ジャーナル社, 2012
国立がん研究センター がん情報サービス「がん統計(全国がん登録)」

胃がんにはどんな種類がありますか?

胃がんは粘膜の上皮細胞から発生する腺がんがほとんどです。
がん細胞の増殖の仕方から大きく2つに分けられます。

胃がんの90%以上は、胃壁の最も内側の粘膜上皮細胞から発生する「腺がん」です。さらに腺がんは、増殖の仕方の違いから、「分化型胃がん」と「未分化型胃がん」に分けられます。「分化型胃がん」は、がん細胞が腺管構造をつくりながらまとまって増殖するタイプの胃がんです。「未分化型胃がん」はパラパラと広がるように増殖するタイプであり、分化型胃がんに比べて悪性度が高いとされています。未分化型には、増殖のスピードが速いことで知られるスキルス胃がんも含まれます。

病気がみえる vol.1 消化器 第5版, p119,121, メディックメディア, 2016
インフォームドコンセントのための図説シリーズ 胃がん 改訂版, p25, 医薬ジャーナル社, 2012
胃がん治療ガイドラインの解説 第2版, p16-17, 金原出版, 2004