食道がんの薬物療法は、単独で実施されることはほとんどなく、手術に先行して行われたり、放射線の効果を高めるために放射線治療と併用して行われます。また、手術後の治療として放射線治療に併用されたり、術後の再発を抑える目的で手術のあとに薬物治療が追加されることがあります(術後補助療法と言います)。薬物療法の種類としては「化学療法(抗がん剤)」が中心でしたが、最近「がん免疫療法」も使えるようになってきました。
国立がん研究センター がん情報サービス 「食道がん」
濱口恵子 他編:がん化学療法ケアガイド 改訂第3版, p26-30, 中山書店, 2020
日本臨床腫瘍学会 編:新臨床腫瘍学 改訂第6版, 南江堂, 2021
日本臨床腫瘍学会 編:新臨床腫瘍学 改訂第6版, 南江堂, 2021
日本臨床腫瘍学会 編:がん免疫療法ガイドライン, 金原出版, 2019
国立がん研究センター がん情報サービス 「免疫療法」
※免疫チェックポイント阻害薬による治療は、単独で行われる「単剤療法」と、化学療法(抗がん剤)や他の種類の免疫チェックポイント阻害薬との「併用療法」があります。(2022年5月現在)。
食道がんの治療で使用される抗がん剤の主な副作用
悪心(おしん)(吐き気)・嘔吐、食欲不振、倦怠感、骨髄抑制(白血球減少など)、脱毛、口内炎、下痢、腎障害、しびれ(末梢神経障害(まっしょうしんけいしょうがい))などです。
これらの出現時期はだいたいわかっており、状況に応じて、副作用を軽減させる薬を使うなど体調管理の対策を講じながら治療を進めます。
〈吐き気や嘔吐への対処法〉
がん化学療法レジメンハンドブック 改訂第6版, 羊土社, 2019
国立がん研究センター がん情報サービス 「がんになったら手にとるガイド」
〈白血球減少に伴う感染症への対処法〉
〈口内炎への対処法〉
〈しびれ(末梢神経障害(まっしょうしんけいしょうがい))への対処法〉
食道がんの治療で使用される免疫チェックポイント阻害薬の主な副作用
疲労、悪心(おしん)(吐き気)、発疹、そう痒症(ようしょう)(かゆみ)、食欲減退、下痢、貧血などがあります。まれではありますが、肺の壁が厚く硬くなり伸び縮みしにくくなることで空気(酸素)の取り入れが難しくなる間質性肺疾患、大腸炎、甲状腺機能障害など、免疫の活性化に伴う副作用が生じることも報告されています。免疫関連の副作用は、多くの場合、ステロイド剤などの免疫抑制薬で対処ができます。
〈免疫関連の副作用—間質性肺疾患への対処法〉
〈免疫関連の副作用—下痢への対処法〉
オプジーボ添付文書2021年11月改訂(第10版)
日本臨床腫瘍学会 編:がん免疫療法ガイドライン, p1,22-24,36-39. 金原出版, 2019
国立がん研究センター がん情報サービス 「 生活・療養」
日本がんサポーティブケア学会 編:がん薬物療法に伴う末梢神経障害マネジメントの手引き 2017年版, 金原出版, 2017