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本ページは、がん免疫製剤を処方されている方を対象に、適切な治療を受けていただくことを目的としています。

食道がん

Chapter 2

食道がんの検査と診断

食道がんの病期

病期(ステージ)とは何ですか?
どのように決められますか?

病期とは、病気の進行の程度を数値で示したもので、治療方針を立てるうえで重要な判断材料となります。ご自身のがんの状態を正しく把握するために、病期の意味を理解しておくことが大切です。
病期を決める3つの項目

がんの病期は、「がんの深さ(T)」「リンパ節への転移の状態(N)」「他の臓器への転移(M)」の3項目をもとに、0(ゼロ)とⅠからⅣのローマ数字で表されます(TNM分類)。Tは深さです。食道の壁のどこまで、がんが達しているか(深達度(しんたつど)と言います)、 Nは食道周囲のリンパ節への広がりです。がんの位置に近い順に、第1群から第4群に分かれており、リンパ節転移がどの範囲まで広がっているかで判定されます。Mは離れた臓器への転移です。食道に隣接しない臓器にがんが転移しているか、また、胸膜(きょうまく)や腹膜(ふくまく)への転移も遠隔転移に含まれます。

食道がんの病期

食道がんの場合、早期がんと言えるのは0期です。早期がんは、がんの深さが粘膜内にとどまっていて転移がない状態です。さらに深い粘膜下層まで進み転移がない状態がⅠ期に分類されます。Ⅱ期とⅢ期は進行がん、Ⅳ期は切除不能がんに分類されます。

日本食道学会 編:食道癌取扱い規約 第11版, p9-10, 金原出版, 2015
国立がん研究センター がん情報サービス 「食道がん」

日本食道学会 編:食道癌取扱い規約 第11版, p9-10,15-21, 金原出版, 2015
国立がん研究センター がん情報サービス 「食道がん」

食道がんの検査と診断

どんな検査が必要ですか?

食道がんは、内視鏡検査やバリウムを用いた造影検査をもとに診断を確定します。

検診などで食道がんが疑われた場合は、内視鏡検査やバリウムを用いた食道造影検査を行い、診断を確定します。
また、組織の一部を採取し(生検(せいけん))、顕微鏡でがん細胞の有無や細胞の種類などを詳しく調べます(病理検査)。
さらに画像検査(CTやMRI、PET(ペット)検査)を行って、がんの深さや広がりを確認します。具体的には、転移の有無などを詳しく調べ、最終的に病期を判定します。

国立がん研究センター がん情報サービス 「食道がん」