がんの病期は、「がんの深さ(T)」「リンパ節への転移の状態(N)」「他の臓器への転移(M)」の3項目をもとに、0(ゼロ)とⅠからⅣのローマ数字で表されます(TNM分類)。Tは深さです。食道の壁のどこまで、がんが達しているか(深達度(しんたつど)と言います)、 Nは食道周囲のリンパ節への広がりです。がんの位置に近い順に、第1群から第4群に分かれており、リンパ節転移がどの範囲まで広がっているかで判定されます。Mは離れた臓器への転移です。食道に隣接しない臓器にがんが転移しているか、また、胸膜(きょうまく)や腹膜(ふくまく)への転移も遠隔転移に含まれます。
食道がんの場合、早期がんと言えるのは0期です。早期がんは、がんの深さが粘膜内にとどまっていて転移がない状態です。さらに深い粘膜下層まで進み転移がない状態がⅠ期に分類されます。Ⅱ期とⅢ期は進行がん、Ⅳ期は切除不能がんに分類されます。
日本食道学会 編:食道癌取扱い規約 第11版, p9-10, 金原出版, 2015
国立がん研究センター がん情報サービス 「食道がん」
日本食道学会 編:食道癌取扱い規約 第11版, p9-10,15-21, 金原出版, 2015
国立がん研究センター がん情報サービス 「食道がん」
検診などで食道がんが疑われた場合は、内視鏡検査やバリウムを用いた食道造影検査を行い、診断を確定します。
また、組織の一部を採取し(生検(せいけん))、顕微鏡でがん細胞の有無や細胞の種類などを詳しく調べます(病理検査)。
さらに画像検査(CTやMRI、PET(ペット)検査)を行って、がんの深さや広がりを確認します。具体的には、転移の有無などを詳しく調べ、最終的に病期を判定します。
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