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「がん免疫.jp」は、がんと向き合う方やそのご家族の方を含む、がん免疫について詳しく知りたい方を対象としています。

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大腸がん

Chapter 1

大腸がんとは

はじめに

大腸がんと診断されたあなたへ

このサイトでは、大腸がんと診断された患者さんに、大腸がんとはどのような病気なのか、診断と治療の流れ、治療中のケアなどについてご紹介しています。
病気と向き合い乗り越えていくためには、これから受ける治療やケアなどについてよく理解しておくことが大切です。
このサイトを、主治医と治療の進め方などを話し合うときの参考資料として、ぜひ活用してください。
そして、医師や医療スタッフ、ご家族とともに、勇気を持って治療に取り組んでいきましょう。

大腸がんについて

大腸がんとはどんな病気ですか?

大腸(結腸・直腸)にできるがんを総称したもので、大腸粘膜の細胞が変化することで生じます。

大腸がんは、正常な大腸粘膜の細胞が様々なリスク要因によって変化することで発生します。
検診や人間ドックがきっかけで見つかることがあり、早期に発見できれば、手術などの外科切除によって、比較的高い確率で治癒することが可能ながんの一つです。

早期の大腸がんでは、ほとんど症状がありません。

がんが肛門に近い左側の大腸にできた場合は、進行すると、便に血が混じる、便が細くなる、下痢や便秘を繰り返すなどの症状が現れ、発見のきっかけとなります。
一方、がんが右側の大腸にある場合は、がんが大きくなるまで症状が出にくく、固いしこりに触れたり、慢性的な出血で貧血になるなど、かなり進行してからみられる症状が多くなります。

国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん」
大腸癌研究会編, 患者さんのための大腸癌治療ガイドライン 2014年版, p13-14, 2014
もっと知ってほしい大腸がんのこと, p4, NPO法人キャンサーネットジャパン, 2014

大腸癌研究会編, 患者さんのための大腸癌治療ガイドライン 2014年版, p2-3, 2014
病気がみえる vol.1 消化器 第5版, p2, 202, メディックメディア, 2016

大腸がんはどんな人に多いですか?

日本では最も多いがんで、50歳代から急増する傾向にあります。
食生活の偏(かたよ)りや肥満、飲酒などが主なリスク要因となります。

大腸がんにかかる割合(罹患率(りかんりつ))は年々増加しています。2014年の統計では、年間約13万5000人が新たに大腸がんと診断され、男女合計では胃がんを抜いて日本でもっとも多いがんとなりました。男女とも40歳代から増え始め、年齢を追うごとに罹患率が高まります。
増加の背景は、食生活の欧米化に伴う動物性タンパク質や脂肪分の摂りすぎ、運動不足、肥満、喫煙、飲酒などが挙げられます。
また、遺伝的な要因が関係していることもあり、家族性大腸腺腫症1)やリンチ症候群2)の家系の方では、大腸がんになる可能性が高いことが知られています。

国立がん研究センター がん情報サービス「最新がん統計,2014の集計」より

  • 家族性大腸腺腫症(FAP):大腸にたくさんの腺腫性ポリープが生じる遺伝性腫瘍です。APC 遺伝子の変異が原因で起こり、40歳代までに半数の患者さんが大腸がんを発症することが知られています。
  • リンチ症候群:遺伝子の異常を修復する「ミスマッチ修復遺伝子」に病的変異があり、その働きが低下することで起こる遺伝性腫瘍の1つです。50歳より若くして発症しやすいこと、右側結腸にがんができやすいこと、子宮体がんなど大腸がん以外のがんにもなりやすい、などの特徴があります。
ご家族にこれらの病気の人がいる方は、若いうちから大腸の精密検査を受けることが勧められています。

国立がん研究センター がん情報サービス「最新がん統計」「大腸がん」
日本消化器病学会編, 患者さんとご家族のための大腸ポリープガイド, Q7, 2016
大腸癌研究会編, 患者さんのための大腸癌診療ガイドライン 2014年版, p8, 金原出版, 2014

大腸がんは、どのように発生しますか?

大腸がんの多くは、「腺腫(せんしゅ)」と呼ばれる良性の腫瘍(ポリープ)ががん化することで発生します。

大腸の管(くだ)の内側は、粘膜で覆われています。この粘膜の一部がイボのように盛り上がってできたものを「大腸ポリープ」といいます。
大腸ポリープのほとんどは、「腺腫」とよばれる良性の腫瘍ですが、大きくなるに従って性質が変わり、がん化するものがあります。大腸がんの多くは、こうした腺腫ががん化することで発生すると考えられています。
一方、正常な粘膜から、直接がんが生じるものもあります。これを「デノボがん」といいます。デノボがんは、表面が平たかったりへこんだ形をしているものが多く、早い時期から周囲の組織に浸潤しやすいことが知られています。

日本消化器病学会編, 大腸ポリープ診療ガイドライン2014, p30-31, 36-37, 南江堂, 2014
消化器疾患ビジュアルブック, p114, 学研メディカル秀潤社, 2009