文字サイズ変更

「がん免疫.jp」は、がんと向き合う方やそのご家族の方を含む、がん免疫について詳しく知りたい方を対象としています。

閉じる

腎細胞がん

Chapter 3

腎細胞がんの治療

腎細胞がんの治療方針

治療方針は、何をもとに決められますか?

治療法を決めるうえで重要なのが、病期です。
さらに全身状態なども考慮して治療方針が決められます。

腎細胞がんの治療法は、がんの進行度(病期)に応じて推奨される標準的な治療法があります。しかし、これらは一般的な患者さんを想定したものであるため、実際は、がんの進行度に加え、患者さんの年齢や全身状態なども十分考慮したうえで、個々の患者さんの状態に応じた治療方針が立てられます。

国立がん研究センターがん情報サービス「腎細胞がん」、
腎癌のすべて 基礎から実地診療まで 改訂第2版, p147-169. メジカルビュー社, 2014
を参考に作図

治療法には、どのようなものがありますか?

手術による外科切除と、薬物療法による全身治療があります。
転移巣については、放射線療法が検討されることもあります。

腎細胞がんの治療は「手術」による外科切除が主体となります。がんのある腎臓ごと切除する腎摘除術(根治的腎摘除術(こんちてきじんてきじょじゅつ))が基本ですが、がんが小さい場合は腎部分切除術も検討されます。
がんが他の臓器に転移していたり、手術による治療が行えない患者さんについては薬物療法が考慮されます。

放射線療法については、腎細胞がんに対しては治療効果が低いため中心的な治療として使われることはなく、通常は、転移巣に対して一時的にがんの進行を抑制したり、痛みなどの症状を緩和する目的で用いられます。
病期ごとのおおまかな治療法を下図に示しました。患者さんによって異なることもありますので、詳しくは主治医に確認してください。

国立がん研究センターがん情報サービス「腎細胞がん」、
インフォームドコンセントのための図説シリーズ 腎がん 改訂版, p68-73. 医薬ジャーナル社, 2011
を参考に作図

腎細胞がんの手術

腎細胞がんの手術について教えてください

手術は最も基本となる治療法です。手術方法や切除範囲は、がんの大きさや広がりなどをもとに決められます。

手術による外科切除は、腎細胞がんに対する最も基本となる治療法です。病期にかかわらず、がんになった側の腎臓を手術で摘出するのが一般的で、遠隔転移がみられるⅣ期であっても、手術の適用となります。
腎細胞がんの手術は、切除範囲によって大きく2つに分けられます。このうち、がんのある腎臓ごと切除する「根治的腎摘除術」が最も一般的な手術方法ですが、がんが4cm以下と小さい場合は「腎部分切除術」が考慮されます。また、がんが4cmより大きい場合でも、片方の腎臓がすでに失われていたり、がんではない側の腎臓の機能が低下している患者さんについては、「腎部分切除術」が選択されます。
手術の方法としては、メスを入れて切開する「開腹手術」と、腹部などに小さな孔(あな)をあけカメラや鉗子(かんし)を通して患部を切除する「腹腔鏡下手術」があります。どちらの方法を選択するかは、がんの大きさやがんのある位置、周囲の組織への浸潤の程度などをもとに決められます。

国立がん研究センターがん情報サービス「腎細胞がん」
インフォームドコンセントのための図説シリーズ 腎がん 改訂版, p76-85. 医薬ジャーナル社, 2011

インフォームドコンセントのための図説シリーズ 腎がん 改訂版, p76-85. 医薬ジャーナル社, 2011より作図

手術後の日常生活で特に注意すべきことはありますか?

手術後は、腎機能の低下を防ぐ生活を心がけましょう。

通常、腎臓は左右に2つあります。手術で片方の腎臓を摘出した場合でも、残っている腎臓が機能を肩代わりすることが多いため、日常生活に支障をきたすことはあまりありません。
ただし、もともと腎機能が低下している方や、腎機能を低下させる疾患(糖尿病、高血圧、高尿酸血症など)がある方の場合は、腎機能をさらに悪化させないように注意し、必要に応じて治療を受けることが大切です。両方の腎臓を摘出した場合など、腎機能が失われた場合は、人工透析が必要になります。

国立がん研究センターがん情報サービス「がんになったら手にとるガイド」 p139-149, 2015 10月版