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本ページは、オプジーボを処方されている方を対象に、適切な治療を受けていただくことを目的としています。

オプジーボの治療患者さんへ

Chapter 3 オプジーボの副作用

オプジーボの主な副作用

オプジーボによる治療中には副作用が出ることがあるので注意が必要です。特に注意が必要なのは、以下の副作用です。

間質性肺疾患

空気を取り込む肺胞という器官が炎症を起こす病気です。炎症が進むと、肺胞が硬くなって空気を十分に取り込むことができなくなり、命に危険が及ぶおそれがあります。

間質性肺疾患の初期症状は、次のとおりです。

  • 息切れ・息苦しい
  • 痰(たん)のない乾いた咳(空咳(からぜき))
  • 発熱
  • 疲労

これらの症状に気付いたら、自分で対処しようとせず、すぐに医師、看護師、薬剤師に連絡してください。

また、次のような患者さんは、間質性肺疾患が起こりやすい可能性がありますので、特に気を付けましょう。

  • 60歳以上の方
  • 酸素投与を受けている方
  • 間質性肺疾患やその他の肺の病気にかかったことがある方
  • 肺に放射線を照射したことがある方
  • 抗がん剤の多剤併用療法中の方
  • 肺の手術をした後の方
  • 腎障害がある方
  • 呼吸機能が低下している方

出典:薬剤性肺障害の診断・治療の手引き 日本呼吸器学会 薬剤性肺障害の診断・治療の手引き作成委員会 編 メディカルレビュー社、2012

重症筋無力症、心筋炎、筋炎、横紋筋融解症

神経から筋肉への情報の伝達がうまくいかなくなったり、筋肉の炎症が起こったりします。下記の症状の他、症状が急激に悪化し、息がしにくくなることもあります。

よく現れる症状

  • 繰り返し運動で疲れやすい
  • まぶたが重い
  • 足、腕に力が入らない
  • 筋肉痛がある
  • ものが二重に見える
  • 吐き気がする
  • 動悸がする
  • 赤褐色尿が出る

大腸炎、重度の下痢

下痢や、大腸に炎症が起こる大腸炎を発症することがあります。初期症状は、下痢、排便回数の増加、腹痛、血便です。これらの症状とともに、発熱を伴う場合もあります。

よく現れる症状

  • 下痢(軟便)あるいは排便回数が増えた
  • 便に血が混じる、便が黒い、便に粘り気がある
  • 腹痛あるいは腹部の圧痛(押すなど圧迫した時に現れる痛み)がある
  • 吐き気や嘔吐がある

1型糖尿病(劇症1型糖尿病を含む)

1型糖尿病を発症することがあり、インスリン注射による治療が必要になることがあります。定期的に血糖値検査を行います。急速に進行する場合があり、吐き気や嘔吐が現れた後、1週間前後で意識障害等が現れることもあります。

よく現れる症状

  • からだがだるい
  • 体重が減る
  • 尿の量が増える
  • のどが渇く
  • 水を多く飲む
  • 吐き気や嘔吐がある
  • 意識障害

免疫性血小板減少性紫斑病

血を止めるのに必要な血小板が減少して出血しやすくなり、鼻血が出たり、歯ぐきから出血したり、皮下出血がみられたりします。

よく現れる症状

  • 鼻血が出る
  • 歯ぐきから出血する
  • 皮下出血がみられる

肝機能障害、肝炎

血液中の肝酵素(AST、ALT、総ビリルビン値など)の数値が基準値より高くなります。定期的に肝機能検査を行います。

よく現れる症状

  • 皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)
  • いつもより疲れやすい

甲状腺機能障害

新陳代謝を活発にする甲状腺ホルモンなどを分泌する内分泌器官に炎症を起こして、甲状腺中毒症、甲状腺機能低下症などの甲状腺機能障害を発症することがあります。これらの障害では、下記の症状が現れることがあります。定期的に甲状腺機能検査を行います。

よく現れる症状

  • いつもより疲れやすい
  • 脱毛
  • 体重増加あるいは体重減少
  • 寒気がする
  • 行動の変化がある(性欲が減る、いらいらする、物忘れしやすいなど)
  • 便秘

神経障害

神経に炎症が起こり、感覚や運動に関わる神経が障害される病気です。手足のしびれや痛みなど下記の症状が現れることもあります。

よく現れる症状

  • 運動のまひ
  • 手足のしびれ
  • 感覚のまひ
  • 手足の痛み

腎障害

腎臓に炎症が起こる腎炎を発症することがあります。定期的に腎機能検査値(クレアチニン等)の測定を行います。

よく現れる症状

  • むくみ
  • 発熱
  • 血尿
  • 貧血
  • 尿量が減る、尿が出ない

副腎障害

副腎機能が低下することで血糖値が下がることがあります。急性の場合は意識がうすれるなどの症状が現れることがあります。定期的に血液検査(ACTH、コルチゾール等)の測定を行います。

よく現れる症状

  • からだがだるい
  • 意識がうすれる
  • 吐き気や嘔吐がある
  • 食欲不振
  • むかむかする

脳炎

脳や脊髄に炎症が起こる病気です。精神障害や意識障害が起こることがあります。

よく現れる症状

  • 発熱
  • 失神
  • 体の痛み
  • 嘔吐
  • 精神状態の変化がある

重度の皮膚障害

皮膚や粘膜など、全身に広がるような重度の皮膚症状が起こることがあります。

よく現れる症状

  • 全身に赤い斑点や水ぶくれが出る
  • ひどい口内炎
  • 体がだるい
  • まぶたや眼の充血
  • 発熱
  • 粘膜のただれ

静脈血栓塞栓症

静脈でできた血のかたまりが血流にのって流れて行き、他の場所の血管をふさいでしまう病気です。肺の血管がつまると、呼吸ができなくなることもあります。

よく現れる症状

  • 腫れ、むくみ
  • 意識の低下、胸の痛み、息苦しい
  • 皮膚や唇、手足の爪が青紫色~暗褐色になる

薬剤の注入に伴う反応

オプジーボの投与中または投与後24時間以内に発熱、悪寒、ふるえ、かゆみ、発疹、高血圧や低血圧(めまい、ふらつき、頭痛)、呼吸困難などが現れることがあります。点滴中や点滴後24時間以内にこのような症状が出たら、医師、看護師、薬剤師にすぐに知らせましょう。

これらの副作用が出たら、オプジーボを中止(または休薬)して回復を図ります。早期発見が大切ですので、症状に気付いたら、すぐに医師、看護師、薬剤師に知らせましょう。

監修:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター
爲政 大幾 先生