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非小細胞肺がん

Chapter 4

非小細胞肺がんの薬物療法

薬物療法について

薬物療法とは、どのような治療ですか?

薬剤を全身に行き渡らせてがん細胞を攻撃する治療法です。
肺がんに対しては、化学療法(抗がん剤)、分子標的療法、がん免疫療法の3つの種類があります。

薬物療法とは、薬剤を注射や点滴、内服などで全身に行き渡らせることで、がん細胞を攻撃する全身的な治療です。
薬物療法は、主に手術が困難な場合に、単独、または放射線療法と組み合わせて用いられます。また、手術後に残っている可能性がある目に見えないがん細胞を根絶し、再発を防ぐ目的で用いられることもあります。
肺がんの薬物療法は大きく分けて、化学療法、分子標的療法、がん免疫療法の3 種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。

薬物療法では、最も効果的と考えられる薬の組み合わせとスケジュールがいくつか決まっています。これを「レジメン」といいます。
最初のレジメン(1次治療)の効果がみられなかった場合は、別のレジメンを使った2次治療、3次治療が行われることもあります。
実際の治療戦略については、がんの組織型や遺伝子変異の有無などの指標をもとに、薬剤の副作用や程度、患者さんの全身状態などを考慮して決められます。

(治療中の対処法については「薬物療法で使われる薬の副作用と知っておきたい対処法について教えてください」をご参照ください)

インフォームドコンセントのための図説シリーズ肺がん 改訂4版, p84-87,医薬ジャーナル社, 2017
NPO法人キャンサーネットジャパン: もっと知ってほしい肺がんのこと, p12-15, 2017

NPO法人キャンサーネットジャパン: もっと知ってほしい肺がんのこと, p12-15, 2017
健康ライブラリーイラスト版 肺がん, p76-77, 講談社, 2013

日本臨床腫瘍学会編: 新臨床腫瘍学 改訂第4版, 南江堂. 2015
国立がん研究センター がん情報サービス「 免疫療法」
NPO法人キャンサーネットジャパン: もっと知ってほしい肺がんのこと, p12-15, 2017

薬物療法で使われる薬の副作用と知っておきたい対処法について教えてください

副作用の種類や程度は、薬剤の種類や量によって異なります。
治療中や治療後に、いつもと違う体調の変化を感じたら、医師や薬剤師、看護師にすぐに相談しましょう。
【抗がん剤】

非小細胞肺がんの治療で使用される抗がん剤の主な副作用

  • 悪心(おしん)(吐き気)・嘔吐、食欲不振、倦怠感、骨髄抑制(白血球減少など)、脱毛、口内炎、下痢、腎障害、末梢神経障害、皮疹、などです。
    これらの出現時期はだいたいわかっており、状況に応じて、副作用を軽減させる薬を使うなど体調管理の対策を講じながら治療を進めます。

〈吐き気や嘔吐への対処法〉

  • 吐き気や嘔吐は、起きてから対処するより予防することが大切です。医師から処方された吐き気止めの薬は、指示どおり服用しておきましょう。
  • 吐き気が起きた場合は、番茶、レモン水、炭酸水、氷水などでうがいすると落ち着くことがあります。
    氷片などを口に含むのもよいでしょう。

がん化学療法レジメンハンドブック 改訂第5版, 羊土社, 2017
国立がん研究センター がん情報サービス 「がんになったら手にとるガイド」

    〈白血球減少に伴う感染症の対処法〉

    • うがいや手洗いを徹底しましょう。
    • 外出時はマスクをし、できるだけ人混みを避けましょう。
    • 入浴やシャワー、歯みがきなどを心がけて、身体を清潔に保ちましょう。
    • 刃のあるカミソリは肌を傷つけやすいので、ひげ剃りは電気カミソリを使用して、切り傷を予防しましょう。

    〈口内炎の対処法〉

    • 虫歯、歯肉炎がある場合は抗がん剤投与前に治療しておきましょう。
    • 口腔内や唇の乾燥予防に、うがいをしたり、リップクリームを使用して保湿しましょう。
    • こまめにうがいをしましょう。やわらかい歯ブラシでていねいにみがきましょう。
    • 熱いものは冷ましてから食べましょう。

    〈脱毛のケア〉

    • 抗がん剤投与から2〜3週間後に抜け始めます。あらかじめ髪を短く切っておくと脱毛時のショックが和らぎ、脱毛時の処理も楽になります。
    • 抗がん剤の治療が終われば、多くの場合3〜6ヵ月後には生えてきます。帽子やバンダナ、医療用かつらなどを使って上手に対処するとよいでしょう。

    国立がん研究センター がん情報サービス「 がんになったら手にとるガイド」

    【分子標的薬】

    非小細胞肺がんの治療で使用される分子標的薬の主な副作用

    • 下痢、皮膚障害、肝機能障害、悪心、嘔吐、倦怠感、などがあります。
      稀ではありますが間質性肺障害、などがあります。

    〈皮膚障害への対処法〉

    • 分子標的薬で起きる皮膚障害には、皮疹(ひしん)、乾皮症(かんぴしょう)、掻痒症(そうようしょう)、爪囲炎(そういえん)などがあります。それぞれ起きやすい時期がだいたいわかっていますので、塗り薬、保湿剤、手袋の着用などで対処や予防を行いましょう。

    〈間質性肺障害への対処法〉

    • 頻度は低いものの、特に重要な副作用として、間質性肺障害が報告されています。特徴的な症状は、息切れ、息苦しい、発熱、痰のない乾いた咳、疲労などです。風邪の症状と似ていますが、早めの対応が非常に重要ですので、気になる症状が現れた場合は、すぐに主治医に連絡しましょう。

    日本肺癌学会編: EBMの手法による肺癌診療ガイドライン, p122-173, 2016年版, 金原出版, 2016
    肺癌診療ポケットガイド, p173-177, 医学書院, 2016

    【免疫チェックポイント阻害薬】

    非小細胞肺がんの治療で使用される免疫チェックポイント阻害薬の主な副作用

    • 疲労、かゆみ、食欲低下、倦怠感、吐き気などがあります。稀ではありますが、免疫の活性化に伴う副作用が生じることも報告されています。免疫関連の副作用は、多くの場合、ステロイド剤などの免疫抑制薬で対処ができます。

    〈免疫関連の副作用—肺障害への対処法〉

    • 頻度は低いものの、特に注意が必要な副作用として、間質性肺障害が報告されています。特徴的な症状は、息切れ、息苦しい、発熱、痰のない乾いた咳、疲労などです。風邪の症状と似ていますが、早めの対応が非常に重要ですので、気になる症状が現れた場合は、すぐに主治医に連絡しましょう。

    〈免疫関連の副作用—下痢への対処法〉

    • 免疫チェックポイント阻害薬による下痢は、抗がん剤や分子標的薬でみられる下痢とは対処法が異なります。下痢が続く場合は、すぐに主治医に連絡しましょう。

    日本肺癌学会編: EBMの手法による肺癌診療ガイドライン, p161-162, 2016年版, 金原出版, 2016
    がん免疫療法ガイドライン, p1,22-25,37-40, 金原出版, 2016