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非小細胞肺がん

Chapter 3

非小細胞肺がんの治療

非小細胞肺がんの治療方針

治療方針は何をもとに決められますか?

治療法を決めるうえで重要なのが、病期です。
さらに全身状態なども考慮して治療方針が決められます。

肺がんは、がんの種類(組織型)によって放射線療法や薬物療法に対する反応が異なることから、がんの種類に応じた治療方針が立てられます。
非小細胞肺がんの主な治療法は、局所治療の「手術」と「放射線療法」、全身治療である「薬物療法」の3つです。これらは単独で行われる場合もありますが、治療効果を高めるため、これらを組み合わせる集学的治療が行われることもあります。
実際にどのような治療を行うかは、がんの進行度(病期)や組織型、患者さんの年齢や全身状態、治療後の生活への影響などを十分考慮し、個々の患者さんの状態に応じて決められます。

インフォームドコンセントのための図説シリーズ 肺がん 改訂5版, p76,87, 医薬ジャーナル社, 2016より改変

非小細胞肺がんでは、ⅠA期からⅢA 期で手術が可能であれば、手術による外科切除が考慮されます。一方、ⅢB期とⅣ期の場合は、がんが広がっていて手術が困難なことが多いため、放射線療法、薬物療法を中心とした治療が検討されます。
病期ごとのおおまかな治療法を下図に示しました。患者さんによって異なることがありますので、詳しくは主治医に確認してください。

詳細は、主治医の先生等にご相談下さい。

日本肺癌学会編: EBMの手法による肺癌診療ガイドライン 2016年版, 金原出版, 2016

手術について

どのような手術が行われますか?

標準手術は、がんのある肺葉を切除する「肺葉切除術(はいようせつじょじゅつ)」です。

標準手術とは、がんの外科療法の中で最も基本的な手術をいいます。
肺がんでは、がんがある肺葉(上葉、中葉、下葉)をブロックごとに切除する「肺葉切除術」が標準手術とされています。多くの場合、近くにあるリンパ節もあわせて切除します(「所属リンパ節郭清(かくせい)」といいます)。
また、がんがごく早期に見つかった場合や、患者さんの状態(体力や術後の呼吸機能など)によっては、切除範囲を狭くした「縮小手術」が選択されます。
手術の方法としては、胸を切開して病巣を切除する「開胸手術」と、胸部に胸腔鏡を挿入しながら病巣を切除する「胸腔鏡下手術」の2つの方法があります。近年では、患者さんの負担が比較的少ないことから、胸腔鏡下手術が広く用いられています。

インフォームドコンセントのための図説シリーズ肺がん 改訂5版, p91-95,医薬ジャーナル社, 2017
健康ライブラリーイラスト版 肺がん, p50-53, 講談社, 2015
国立がん研究センターがん 情報サービス 「肺切除のリハビリテーション」

インフォームドコンセントのための図説シリーズ 肺がん 改訂5 版, p91-95, 医薬ジャーナル社, 2017
肺がん診療ポケットガイド, p54-57,医学書院, 2016

放射線療法について

放射線療法は、どのように進められますか?

X線や他の高エネルギーの放射線を使って、病変部とそのリンパ領域を含めた範囲を照射します。

放射線療法は、単独で用いる場合と化学療法と組み合わせる場合があり、手術前に化学療法との組み合わせが行われることもあります。
通常、体外から肺やリンパ節に放射線を照射します。多くの場合、1回の照射にかかる時間は数分程度で、痛みはありません。ただし、放射線療法は、事前に決められた治療計画のもと、一定期間続けて治療を行う必要があります。治療を中断すると十分な効果が得られなくなるため、職場やご家庭での協力を得るなどして、できるだけ通院しやすい環境を整えておくとよいでしょう。

主な副作用

放射線が当たった部位に副作用が起こる可能性があります。副作用は、治療中から3ヵ月後までに起こる急性期のものと、照射後数ヵ月後や数年後に現れる晩期の副作用があります。急性期症状の多くは、治療後1〜2週で改善します。

肺癌診療ポケットガイド, P61, 医学書院, 2016
国立がん研究センターがん 情報サービス「放射線療法総論」

放射線療法を受けるにあたり、日常生活で注意することはありますか?

放射線を当てた部位の皮膚や粘膜が傷つきやすくなります。
照射した皮膚や粘膜のケアをご紹介します。


照射部位の皮膚炎に対するケア
  • 摩擦(まさつ)などの刺激を避けることが大切です。
    照射した部位をゴシゴシこすらないようにしましょう。
  • 熱すぎるお風呂やサウナは避け、ぬるめのお風呂にしましょう。
    (皮膚をこすって治療範囲のマークが消えてしまわないように注意しましょう。)
  • かゆみやひりひりした感じがある場合は、冷たいタオルなどで冷やすと症状が軽快することがあります。
放射線療法中に気をつけること
  • かゆみ止めなど塗り薬の使用は、医師や医療スタッフに確認しましょう。
  • 治療中に疲労感を経験することがあるため、十分な休養を取るようにすることが大切です。
  • 38℃以上の発熱があったら医師に連絡しましょう。
  • その他、気になる症状がある場合は、放射線療法のスタッフにご相談ください。

インフォームドコンセントのための図説シリーズ 肺がん 改訂5版, p47-75, 医薬ジャーナル社, 2017
健康ライブラリーイラスト版 肺がん, p28-35, 講談社, 2013