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頭頸部がん

Chapter 4

頭頸部がんの薬物療法

薬物療法について

薬物療法とは、どのような治療法ですか?

薬剤を使って、がん細胞の増殖を抑えたり消滅させることを目的とした治療法です。薬が体内に行き渡ることで、全身に散らばったがんに対しても作用を示します。

薬物療法は、手術に先行して行われたり、放射線治療の効果を高めるために放射線治療と併用して行われます。また、手術後の術後治療として放射線治療に併用されることがあります。一方、手術や放射線治療が行えない遠隔転移がある患者さんでは、薬物療法として「化学療法(抗がん剤)」「分子標的療法」「がん免疫療法」が行われます。

耳鼻咽喉科エキスパートナーシング 改訂第2版, p469. 南江堂, 2015

がん化学療法ケアガイド 改訂版, p25-39. 中山書店, 2012
日本臨床腫瘍学会編: 新臨床腫瘍学 改訂第4版, 南江堂, 2015

がん化学療法ケアガイド 改訂版, p25-39. 中山書店, 2012
日本臨床腫瘍学会編: 新臨床腫瘍学 改訂第4版, 南江堂, 2015

日本臨床腫瘍学会編: 新臨床腫瘍学 改訂第4版, 南江堂. 2015
日本臨床腫瘍学会編: がん免疫療法ガイドライン, 金原出版, 2016
国立がん研究センターがん対策情報センター がん情報サービス「免疫療法」

※免疫チェックポイント阻害薬による治療の対象となるのは、頭頸部がんの患者さんのうち、再発をきたした方、または、がんが体の他の場所にも広がっている方で、化学療法(プラチナ製剤による)を受けたことがある患者さんに限られます(2018年1月現在)。

薬物療法の副作用とケア

      

薬物療法で使われる薬の副作用には、どのようなものがありますか?

副作用の種類や程度は、薬剤の種類や量によって異なります。
治療中や治療後に、いつもと違う体調の変化を感じたら、医師や薬剤師、看護師にすぐに相談しましょう。
【抗がん剤】

頭頸部がんの治療で使用される抗がん剤の主な副作用

  • 悪心(おしん)(吐き気)・嘔吐、食欲不振、倦怠感、骨髄抑制(白血球減少など)、脱毛、口内炎、下痢、腎障害、末梢神経障害、聴力障害などです。
    これらの出現時期はだいたい分かっており、状況に応じて、副作用を軽減させる薬を使うなど体調管理の対策を講じながら治療を進めます。

〈吐き気や嘔吐への対処法〉

  • 吐き気や嘔吐は、起きてから対処するより予防することが大切です。医師から処方された吐き気止めの薬は、指示どおり服用しておきましょう。
  • 吐き気が起きた場合は、番茶、レモン水、炭酸水、氷水などでうがいすると落ち着くことがあります。
    氷片などを口に含むのもよいでしょう。

耳鼻咽喉科エキスパートナーシング 改訂第2版, p469-476. 南江堂, 2015
がん化学療法レジメンハンドブック 改訂第5版, 羊土社, 2017
国立がん研究センターがん対策情報センター がん情報サービス「がんになったら手にとるガイド」

〈白血球減少に伴う感染症への対処法〉

  • うがいや手洗いを徹底しましょう。
  • 外出時はマスクをし、できるだけ人混みを避けましょう。
  • 入浴やシャワー、歯みがきなどを心がけて、身体を清潔に保ちましょう。
  • 刃のあるカミソリは肌を傷つけやすいので、ひげ剃りは電気カミソリを使用して、切り傷を予防しましょう。

〈口内炎への対処法〉

  • 虫歯、歯肉炎がある場合は抗がん剤投与前に治療しておきましょう。
  • 口腔内や唇の乾燥予防に、うがいをしたり、リップクリームを使用して保湿しましょう。
  • こまめにうがいをしましょう。やわらかい歯ブラシでていねいにみがきましょう。
  • 熱いものは冷ましてから食べましょう。

〈脱毛のケア〉

  • 抗がん剤投与から2〜3週間後に抜け始めます。
    あらかじめ髪を短く切っておくと、脱毛時の処理も楽になります。
  • 抗がん剤の治療が終われば、多くの場合3〜6ヵ月後には生えてきます。
    帽子やバンダナ、医療用かつらなどを使って上手に対処するとよいでしょう。
【分子標的薬】

頭頸部がんの治療で使用される分子標的薬の主な副作用

  • 皮膚障害、低マグネシウム血症、稀(まれ)ではありますが薬剤注入に伴うアレルギー反応、間質性肺障害、などがあります。

〈皮膚障害への対処法〉

  • 分子標的薬で起きる皮膚障害には、ざ瘡様皮疹(そうようひしん)、乾皮症(かんぴしょう)、爪囲炎(そういえん)などがあります。それぞれ起きやすい時期がだいたいわかっていますので、塗り薬、保湿剤、手袋の着用などで対処や予防を行いましょう。

〈薬剤注入に伴うアレルギー反応への対処法〉

  • 薬剤の投与から24時間以内に起こる過敏症です。投与中やその後に体調の変化があった場合、すぐに医療スタッフに伝えましょう。

〈間質性肺障害への対処法〉

  • 頻度は低いものの、重篤な副作用として、間質性肺障害が報告されています。特徴的な症状は、息切れ、息苦しい、発熱、痰のない乾いた咳、疲労などです。風邪の症状と似ていますが、早めの対応が非常に重要ですので、気になる症状が現れた場合は、すぐに主治医に連絡しましょう。

日本臨床腫瘍学会編: 頭頸部がん薬物療法ガイダンス, p35-37. 金原出版, 2015
頭頸部がんの化学放射線療法, p43-46. 日本看護協会出版会, 2015

【免疫チェックポイント阻害薬】

頭頸部がんの治療で使用される免疫チェックポイント阻害薬の主な副作用

  • 皮疲労、悪心(吐き気)、発疹、そう痒症(かゆみ)、食欲減退、下痢、貧血、などがあります。稀ではありますが、間質性肺疾患、大腸炎、甲状腺機能障害など、免疫の活性化に伴う副作用が生じることも報告されています。免疫関連の副作用は、多くの場合、ステロイド剤などの免疫抑制薬で対処ができます。

〈免疫関連の副作用-間質性肺疾患への対処法〉

  • 頻度は低いものの、特に注意が必要な副作用として、間質性肺疾患が報告されています。特徴的な症状は、息切れ、息苦しい、発熱、痰のない乾いた咳、疲労などです。風邪の症状と似ていますが、早めの対応が非常に重要ですので、気になる症状が現れた場合は、すぐに主治医に連絡しましょう。

〈免疫関連の副作用-下痢への対処法〉

  • 免疫チェックポイント阻害薬による下痢は、抗がん剤や分子標的薬でみられる下痢とは対処法が異なります。下痢が続く場合は、すぐに主治医に連絡しましょう。

ニボルマブ添付文書2018年10月改訂(第20版)
日本臨床腫瘍学会編: がん免疫療法ガイドライン, p1,22-25,37-40. 金原出版, 2016