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「がん免疫.jp」は、がんと向き合う方やそのご家族の方を含む、がん免疫について詳しく知りたい方を対象としています。

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頭頸部がん

Chapter 3

頭頸部がんの治療

頭頸部がんの治療方針

治療方針は、何をもとに決められますか?

がんに対する治療効果と、治療後の生活への影響なども十分考慮したうえで、個々の患者さんに適した治療法が決定されます。

頭頸部には、呼吸をしたり、食事をする(物を食べたり、飲み込む(嚥下(えんげ)))など、生命を維持するうえで欠かせない機能が集中しています。また、話す、においを嗅ぐ、顔の表情をつくるなど、社会生活を送るうえでも重要な機能を担っています。
このため、頭頸部がんの治療法を選択する場合は、がんの発生場所(原発部位)と病期、治療後の生活への影響などを十分考慮し、個々の患者さんの状態に応じた治療方針が決められます。

日本臨床腫瘍学会編: 新臨床腫瘍学 改訂第4版, p358. 南江堂, 2015より作図

治療法には、どのようなものがありますか?

手術、放射線療法、薬物療法があります。頭頸部がんでは多くの場合、これらを組み合わせた「集学的治療」が行われます。

頭頸部がんは、「手術」や「放射線療法」などの局所治療と、全身治療である「薬物療法」を組み合わせた治療が中心となります。特に進行したがんや、他の臓器に転移している患者さんについては、薬物療法を併用して治療を行います。
病期ごとのおおまかな治療法を下図に示しました。患者さんによって異なることがありますので、詳しくは主治医に確認してください。

日本頭頸部癌学会編: 頭頸部癌診療ガイドライン, 2013年版, p16-17. 金原出版, 2013 、
国立がん情報センターがん対策情報センター「がん情報サービス」などを参考に作成

頭頸部がんの手術

頭頸部がんの手術について教えてください

手術は、がん組織を外科的に切り取る治療法です。特に進行がんに対しては有効な治療法になります。切除範囲が大きい場合は再建手術を行い、切除部分を修復します。

早期発見の機会が増えていることや、再建手術など手術技術の進歩により外科治療でも発声や摂食機能が温存できるようになっています。がんの部位や進行度、患者さんの状態に応じた治療が計画されます。

手術法の決定

ごく早期に見つかった場合、一部のがんでは内視鏡を用いて口から切除することがあります(経口的切除)。原発巣の進行度と切除範囲、リンパ節転移の状況、会話や摂食機能を温存した機能温存手術の可能性などを考慮したうえで手術法が決められます。

臨床頭頸部癌学, p107-133. 南江堂, 2016
もっと知ってほしい頭頸部がんのこと, p9. NPO法人キャンサーネットジャパン, 2015

頭頸部がんの化学放射線療法, p79-80日本看護協会出版会, 2015
日本頭頸部癌学会ホームページ, 頭頸部がんの切除手術(頭頸部の再建術)

放射線療法について

放射線療法とは、どのような治療法ですか?

高エネルギーのX線などを使ってがん細胞を死滅させたり、増殖を抑える治療法です。手術や薬物療法と併用されることもあります。

頭頸部がんは、放射線療法の効果が高い「扁平上皮がん」が多いことが知られています。また、放射線療法は、治療後も臓器の機能や形態が温存されやすく、治療後の容貌(ようぼう)変化、発声や咀嚼(そしゃく)・嚥下機能などの低下が少ないことから、手術とともに、頭頸部がんに対する治療の中心として用いられています。

治療の種類と進め方

治療方法には、外から放射線を照射する「外照射法」と、放射線の出る物質を病巣やその周囲に入れて体の中から放射線を当てる「組織内照射法」の2種類がありますが、広く用いられているのは外照射法です。放射線単独で根治治療として用いられるほか、効果の増強を目指して抗がん剤と組み合わせて行われることもあります。また手術のあとの補助治療として、転移巣の痛みなどを和らげる緩和治療としても行われます。

治療スケジュール

スケジュールは、治療の目的やがんの種類ごとに立てられた治療計画をもとに進められます。通常、1回の照射にかかる時間は数分で、痛みはありません。ただし、治療を中断すると十分な効果が得られなくなりますので、職場や家庭での協力を得るなどして、できるだけ治療を継続できる環境を整えておくとよいでしょう。

放射線療法の主な副作用

放射線療法の副作用には、「急性期」に現れるものと、「晩期」に現れる副作用に分けられます。副作用の程度は個人差がありますが、急性期に起こる副作用の多くは、治療後3ヵ月までには軽快します。
予想される副作用や後遺症などについては、あらかじめ、放射線療法の担当医や医療スタッフによく確認しておくとよいでしょう。

日本頭頸部癌学会ホームページ「放射線治療」
頭頸部がんの化学放射線療法, p38-40. 日本看護協会出版会, 2015
国立がん研究センターがん対策情報センター がん情報サービス「放射線療法総論」
日本臨床腫瘍学会編: 頭頸部がん薬物療法ガイダンス, p16-19. 金原出版, 2015

放射線療法を受けるにあたり、日常生活で注意することはありますか?

放射線治療による粘膜炎で、口の中が荒れたり、食事の際に違和感や痛みが出現する場合があります。
日常生活でのセルフケア

〈口の中の粘膜に対するケア〉

  • 口や喉の粘膜に負担をかけないように、食事や水を飲むときは、ゆっくり噛んで、飲み込むときの1回量を減らしましょう。
  • 食事は、粘膜を刺激しないように、かたいものや熱いもの、辛味の強い刺激物は避けましょう。
  • 毎食後にやわらかい歯ブラシで歯をみがき、口の中を清潔にしましょう。
  • こまめにうがいをして、乾燥を防ぎましょう。"ガラガラうがい"は誤嚥(ごえん)を招く危険があるので"ぷくぷくうがい"を心がけましょう。
  • お酒やタバコは、厳禁です。

〈放射線を当てた部位の皮膚炎に対するケア〉

  • 摩擦(まさつ)などの刺激を避けることが大切です。照射した部位をゴシゴシこすらないようにしましょう。
  • かゆみやひりひりした感じがある場合は、冷たいタオルなどで冷やすと症状が軽快することがあります。

〈食事をするときのケア〉

  • 粘膜を刺激しないような食事や飲水を心がけましょう。
  • よく噛み、少量ずつ口の中に入れて、ゆっくり飲み込みましょう。
  • やわらかくてのどごしのよい食事をとるようにしましょう。
    (例:水分の多いおかゆやスープ、ヨーグルトやゼリー、豆腐など)
  • 高齢の方には、誤嚥を防ぐために、とろみをつけた調理の工夫をし、薬を飲むときには服薬ゼリーなどを使うこともおすすめです。痛みが強い場合は口腔内保護剤や鎮痛剤もありますので、医師や看護師にご相談ください。

臨床頭頸部癌学, p236-241. 南江堂, 2016
国立がん研究センターがん対策情報センター がん情報サービス 「放射線治療を受ける方へ」
頭頸部がんの化学放射線療法, p156-161. 日本看護協会出版会, 2015